IRONMANのバイク攻略 ペダリングの引き上げ練習がポイント

IRONMANレースのバイクパートは、180キロという距離の長さから、後半は疲労を感じながらのライドとなってしまうもの。この「疲れ」という不可避な問題を抱えながらタイムを縮めるためには、「ペダリングの引き上げが重要」だということが国士舘大学の栗原正明らの研究で明らかとなった。

栗原氏らは、自転車のペダリング角度と疲労の相関関係について調査を実施。男子大学生トライアスリート15名に対して実験を行い、1回転のうち30度ごとにペダリングのパワーと筋肉の活動量を計測した。

その結果、疲労時には、ペダリングの引き上げ局面中盤(270度)から踏み込み局面中盤(90度)にかけて動作の遅れが発生することが判明した。

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そこで同研究では、バイクのスピードを維持するためにも、270度から90度にかけてのペダリング強化を意識した練習を推奨している。

IRONMANレースのバイクパートで、スピードを落とさずにペースを維持することは、できるだけ速くフィニッシュラインを超えるためにも重要な要素である。日頃の練習でペダリングの270度から90度の領域を意識し、長時間パワーを維持できるようになることは、バイクパート攻略のキーポイントになりそうだ。

 参考文献: Pedaling to characteristics of muscle activity on lower limb muscles 
and crank for generation capacity in triathletes.

Photo: Pavel1964/iStock